感染性腸炎 総論
2014.12.18 メディビトの知恵概要
ポイント
・腸管系病原細菌に感染することにより、下痢、腹痛、発熱、嘔吐などの腸管の急性症状が現れ発症する。
・日本は高温多湿であるため、初夏から秋にかけて病原体が繁殖しやすい環境であり、飲食により発生した腸管感染症は食中毒として扱われ、保健所への届け出が必要である。
○「国立感染症研究所 感染症情報センター」
http://www.nih.go.jp/niid/ja/from-idsc.html
○「厚生労働省 感染症法に基づく医師の届出のお願い」
【病原体】
・細菌性:赤痢、コレラ、腸チフス、サルモネラ、腸炎ビブリオ、病原性大腸菌、黄色ブドウ球菌、カンビロバクター菌など
・ウイルス性:ノロウイルス、ロタウイルスなど
・ノロウイルス:冬期の食中毒の原因として最も多く、最近では便や吐物からのヒトーヒト二次感染が問題になっている。
診断
①問診からの判断
・一週間以内の生食物や気になる食べ物の確認
・発熱の有無
・便の色、下血の有無
・周辺の複数患者発生や集団生活の有無
・海外旅行
・ペット動物の有無
②糞便細菌培養による便培養、便抗原検査
「パリエット 消化器基本画像集」より引用
症状
・下痢、下血
・腹痛
・発熱
・嘔吐
検査
・便細菌培養、便中抗原検査
・ウイルスに対する血清抗体反応(ノロウィルス、ロタウィルス)
・血液検査
治療、処方例
【治療】
・脱水の補正:細胞外液500mlを1~2時間で点滴
・抗菌薬の投与:自然治癒傾向のものが多く、全例に必要ではない。
【参考】
禁忌
・ニューキノロン系抗菌薬の投与:妊婦・授乳婦や18歳以下の小児に対しては、
軟骨形成障害の可能性があるため原則使用禁止。
キーワード、ポイント
・腸管系病原細菌に感染することにより、下痢、腹痛、発熱、嘔吐などの腸管の急性症状が現れ発症する。
・日本は高温多湿であるため、初夏から秋にかけて病原体が繁殖しやすい環境であり、飲食により発生した腸管感染症は食中毒として扱われ、保健所への届け出が必要である。
○「国立感染症研究所 感染症情報センター」
http://www.nih.go.jp/niid/ja/from-idsc.html
○「厚生労働省 感染症法に基づく医師の届出のお願い」
診療のすすめ方、考え方
【病原体】
・細菌性:赤痢、コレラ、腸チフス、サルモネラ、腸炎ビブリオ、病原性大腸菌、黄色ブドウ球菌、カンビロバクター菌など
・ウイルス性:ノロウイルス、ロタウイルスなど
・ノロウイルス:冬期の食中毒の原因として最も多く、最近では便や吐物からのヒトーヒト二次感染が問題になっている。
診断
①問診からの判断
・食べた物について、潜伏期間を考慮して発病前半日から2~3日までを確認
・一週間以内の生食物や気になる食べ物の確認
(季節や流行状況や症状から菌を類推して具体的に○○は食べていないかと聞く)
・発熱はあるか
・便の色、下血の有無
・周辺の複数患者発生や集団生活の有無
・海外での感染や旅行者下痢症が疑われるときは、いつ、どこの国に滞在したか
・ペット動物の有無
②糞便細菌培養による便培養、便抗原検査
③血液検査:細菌感染症は炎症反応(赤沈、CRP)と白血球数の増加がみられる。ウイルス性ではこれらは正常か軽度の上昇にとどまる。
症状
・下痢、下血
・腹痛
・発熱
・嘔吐
検査
・便細菌培養、便中抗原検査
・ウイルスに対する血清抗体反応(ノロウィルス、ロタウィルス)
・血液検査
鑑別診断
治療、処方例
【治療】
・脱水の補正:水分、電解質、ブドウ糖を補給する。
細胞外液500mlを1~2時間で点滴
中程度の脱水は1,500~3,000ml/日程度
・抗菌薬の投与:自然治癒傾向のものが多く、全例に必要ではない。
【参考】
禁忌
・ニューキノロン系抗菌薬の投与:妊婦・授乳婦や18歳以下の小児に対しては、
軟骨形成障害の可能性があるため原則使用禁止。