Menetrier病 総論
2014.12.18 メディビトの知恵概要
・胃の巨大皺襞(しわ、ひだ)から蛋白質が漏出し低蛋白血症をひきおこす病態。
・成人ではピロリ菌の感染による原因が多い。
ポイント
・低蛋白血症は、胃の粘膜から血液中の蛋白が漏れ出ている可能性を想起する。
・成人ではピロリ菌、小児ではサイトメガロウイルスの感染があるか検索する。
診断
・深部粘膜生検を伴う内視鏡検査または腹腔鏡下胃全層生検にて診断。
・低蛋白血症があるか血液検査を行う。
症状
・初期:上腹部痛、下痢、嘔吐
・進行:低蛋白血症のため貧血、むくみ、疲れやすい、全身がむくむ
検査
・内視鏡検査
・血液検査
・蛋白漏出を証明する検査
α1‐アンチトリプシンクリアランス検査
蛋白漏出シンチグラフィ
治療、処方例
【治療】
・高蛋白食の摂取(高蛋白な食事は少しずつ数回に分けて食べると胃に負担がかかりにくい)
・抗コリン薬,酸分泌抑制薬,ステロイドなどの投与
・ピロリ菌感染の場合:ピロリ菌の除菌。
禁忌
キーワード、ポイント
・胃の巨大皺襞(しわ、ひだ)から蛋白質が漏出し低蛋白血症をひきおこす病態。
・過形成性胃炎とも呼ばれることがある。
・中年以降に発症、まれに小児にもみられる。
・成人ではピロリ菌、小児ではサイトメガロウイルスの感染による原因が多い。
○「NIID国立感染症研究所 サイトメガロウイルス感染症」
http://www.nih.go.jp/niid/ja/diseases/sa/cmv/392-encyclopedia/407-cmv-intro.html
診療のすすめ方、考え方
・低蛋白血症は、胃の粘膜から血液中の蛋白が漏れ出ている可能性を想起する。
・成人ではピロリ菌、小児ではサイトメガロウイルスの感染があるか検索する。
診断
・深部粘膜生検を伴う内視鏡検査または腹腔鏡下胃全層生検にて診断。
(腺萎縮および著明な腺窩上皮過形成が起こり,しばしば粘液腺化生および粘膜肥厚を伴う)
・低蛋白血症があるか血液検査を行う。
・疾患が進行するにつれて,胃酸およびペプシンの分泌が減少し,低酸症が起こる。
・成人ではピロリ菌、小児ではサイトメガロウイルスの感染を確認する。
・サイトメガロウイルス(CMV)感染の検査:CMV抗原血症検査(CMVアンチジェネミア法)
CMVpp65抗原に対するモノクローナル抗体を用いて、ペルオキシダーゼ法により末梢血中の
CMV抗原陽性細胞(多形核白血球)を検出する方法で、臨床の場で広く用いられている。
○「日本造血細胞移植学会 造血細胞移植ガイドライン サイトメガロウイルス感染症」
http://www.jshct.com/guideline/pdf/guideline_CMV_2.pdf
症状
・初期:上腹部痛、下痢、嘔吐
・進行:低蛋白血症のため貧血、むくみ、疲れやすい、全身がむくむ
検査
・蛋白漏出を証明する検査
α1‐アンチトリプシンクリアランス検査
蛋白漏出シンチグラフィ
・ピロリ菌の有無
・サイトメガロウイルス(CMV)感染の検査
・内視鏡検査
・血液検査
鑑別診断
・胃癌
・胃リンパ腫
・MALTリンパ腫
・胃粘膜皺襞肥厚を伴うゾリンジャー-エリソン症候群
・下痢を伴う粘膜ポリープと蛋白漏出性胃腸症であるクロンカイト-カナダ症候群
治療、処方例
【治療】
・抗コリン薬,酸分泌抑制薬,ステロイドなどの投与
・ピロリ菌感染の場合:ピロリ菌の除菌。
・低蛋白血症:血漿製剤の投与、高蛋白食の摂取(高蛋白な食事は少しずつ数回に分けて食べると胃に負担がかかりにくい)
・腫瘍があるケースや、重度の低蛋白血症の場合には手術を行うこともある。
【処方例】
・抗コリン薬:ブスコパン
・酸分泌抑制薬:オメプラール、オメプラゾン、タケプロン、パリエット、ネキシウム
・副腎皮質ステロイド:プレドニゾロン
禁忌
患者指導
・低蛋白血症を認め、高蛋白な食事を摂取する際は、胃に負担がかからないよう少しずつ数回に分けて食べる。
専門医に紹介
・消化器科にて進行具合を確認