憩室炎 総論
2014.12.18 メディビトの知恵概要
ポイント
・1つ以上の憩室に感染による炎症が起きた状態。
・40歳を超えると増加する。
・大腸憩室の好発部位は上行結腸とS状結腸。
診断
・憩室症があるとわかっている場合は、ほぼ症状のみから診断。
・CT検査または超音波検査にて診断。
症状
・腹痛、圧痛
・発熱
検査
・CT検査:憩室の存在診断、脂肪織の上昇や腹水の有無、糞石の有無
・大腸内視鏡検査
「パリエット 消化器基本画像集」より引用
○鑑別診断
・憩室炎と似た症状:虫垂炎、結腸癌、卵巣癌、膿瘍、子宮筋腫
治療、処方例
【治療】
・軽症の場合
休息、流動食、抗生物質の内服。
・重症の場合
入院の上抗生物質静脈内投与
安静にして経口摂取を避ける。
症状が改善しない場合は手術を行う。
○合併症:腸穿孔、瘻孔形成、膿瘍形成
○その他
まれに憩室炎が大腸癌の兆候となることがある。
癌の可能性を除外するため、内視鏡検査を受けていない場合は大腸検査をすすめる。
○患者指導
【再発予防】
・食物繊維の摂取:摂取目安は25 g/1日が推奨される。
・週に90分以上の運動:健康な成人であれば、毎週最低90分の運動(例えばジョギングや水泳、エアロビクスなど)を実践をする。
禁忌
キーワード、ポイント
・1つ以上の憩室に感染による炎症が起きた状態。
・40歳を超えると増加する。
診療のすすめ方、考え方
・大腸憩室の好発部位は上行結腸とS状結腸。
診断
・憩室症があるとわかっている場合は、ほぼ症状のみから診断。
・CT検査または超音波検査にて診断。
症状
・腹痛、圧痛
・発熱
検査
・CT検査:憩室の存在診断、脂肪織の上昇や腹水の有無、糞石の有無
腹部CTは感度 93-97%、 特異度 100%
造影CTを行うことで、他に鑑別が必要な疾患も評価可能:虫垂炎、悪性腫瘍、膿瘍、クローン病など
憩室の存在、腸管周囲脂肪織の混濁、腸管壁の肥厚(>4mm)、憩室周囲膿瘍は憩室炎を強く示唆する所見
・超音波検査
・大腸内視鏡検査
「パリエット 消化器基本画像集」より引用
鑑別診断
・憩室炎と似た症状:虫垂炎、結腸癌、卵巣癌、膿瘍、子宮筋腫
・炎症が治まるか感染症の治療が済むと、大腸内視鏡検査またはバリウム注腸によるX線検査を行い、憩室の有無を確認するとともに大腸癌を除外することもできる。
治療、処方例
【治療】
・軽症の場合
休息、流動食、抗生物質の内服。
また数日後から繊維質の少ない軟らかい食事を摂取、便を軟らかくする製剤を服用する。
・重症の場合
抗生物質:セフメタゾンⓇ(セフメタゾール)1~4g/日/2~4回分注 静脈内投与
安静にして経口摂取を避ける。
症状が改善しない場合は手術を行う。
○合併症:腸穿孔、瘻孔形成、膿瘍形成
【処方例】
・抗生物質 グラム陰性桿菌と嫌気性菌をターゲット
例) オーグメンチンⓇ(アモキシシリン/クラブラン酸)250㎎1回1錠、1日3~4回
または、シプロキサンⓇ(シプロフロキサシン)1回100~200mgを1日2~3回
+フラジールⓇ(メトロニダゾール)1回250mgを1日4回又は1回500mgを1日3回
・便を軟らかくする薬剤 酸化マグネシウム0.5g~2g/日
【再発予防】
①高繊維食品を摂取する
食物繊維の摂取目安は25 g/1日が推奨される。
②週に90分以上の運動をする
健康な成人であれば、毎週最低90分の運動(例えばジョギングや水泳、エアロビクス
など)を実践をする。
③回復後の大腸内視鏡検査について医師と相談する
まれに憩室炎が大腸癌の兆候となることがある。
癌の可能性を除外するため、内視鏡検査を受けていない場合はすすめる。炎症から回復後数カ月以内に医師と相談すること。
禁忌
患者指導
・再発予防について説明する。