家族性大腸腺腫症 総論
2014.12.18 メディビトの知恵概要
・家族性大腸腺腫症(FAP)は、癌抑制遺伝子であるAPC遺伝子の機能失活により引き起こされる常染色体優性遺伝性疾患で、大腸全域に多数の腺腫性ポリープが発生する。
・放置するとほぼ全例で大腸癌へ移行する。
ポイント
○診療のすすめ方、考え方
・家族性大腸腺腫症の家族歴について確認する。
診断
・内視鏡検査、造影検査などの画像診断、遺伝子診断で行う。
症状
・初期には無症状のことが多い
・下血、血便、下痢、腹痛などの消化器症状
検査
・画像診断:100個以上の大腸腺腫の確認
「パリエット 消化器基本画像集」より引用
・遺伝子検査:APC遺伝子変異を有する大腸多発腺腫の存在を確認
治療、処方例
【治療】
・癌化前(一般に20歳代)に予防的大腸切除を行うことが望ましい。
現在では大腸全摘・回腸嚢肛門(管)吻合術が施行される割合も多い。
○患者指導
・未診断の家族にも受診を勧める。
禁忌
キーワード、ポイント
・家族性大腸腺腫症(FAP)は、癌抑制遺伝子であるAPC遺伝子の機能失活により引き起こされる常染色体優性遺伝性疾患で、大腸全域に多数の腺腫性ポリープが発生する。
・放置するとほぼ全例で大腸癌へ移行する。
・大腸癌以外にも、消化管やその他の臓器に様々な腫瘍性および非腫瘍性の随伴病変が発生する。
診療のすすめ方、考え方
・家族性大腸腺腫症の家族歴について確認する。
診断
・内視鏡検査、造影検査などの画像診断、遺伝子診断で行う。
・家族歴がある場合は、腺腫数が100個未満でも診断しうる。
症状
・初期には無症状のことが多い
・下血、血便、下痢、腹痛などの消化器症状
検査
・画像診断:100個以上の大腸腺腫の確認
「パリエット 消化器基本画像集」より引用
・遺伝子検査:APC遺伝子変異を有する大腸多発腺腫の存在を確認
・造影検査
・APC遺伝子検査:家族歴がない、あるいは同胞のみに100個未満の大腸腺腫が認められる場合に、AFAPとMUTYH関連ポリポーシスとの鑑別にも有効。
鑑別診断
・MUTYH 関連ポリポーシス:常染色体劣性遺伝形式の疾患であり、血縁者のリスク評価やサーベイランスなどを考慮する上で鑑別診断は重要。
治療、処方例
【治療】
・癌化前(一般に20歳代)に予防的大腸切除を行うことが望ましい。
①大腸全摘・回腸人工肛門造設術
②大腸全摘・回腸嚢肛門(管)吻合術
③結腸全摘・回腸直腸吻合術
・大腸全摘・回腸嚢肛門吻合術と大腸全摘・回腸嚢肛門管吻合術は一括して扱われることが多い。
・現在では大腸全摘・回腸嚢肛門(管)吻合術が施行される割合も多い。
禁忌
患者指導
・未診断の家族にも受診を勧める。
専門医に紹介
・家族性大腸腺腫症の診断と治療方針は重要であり、専門家に紹介する。