潰瘍性大腸炎 総論
2014.12.18 メディビトの知恵概要
ポイント
・肛門から連続性、全周性に大腸の粘膜にびらんや潰瘍ができる大腸の炎症性疾患。
・原因は不明。
・小児から高齢者まで発症し、好発年齢は10歳代後半~20歳代。
・潰瘍性大腸炎は指定難病であり、医療費助成の対象となる。
○「難病情報センター 潰瘍性大腸炎」
http://www.nanbyou.or.jp/entry/3739
○診療のすすめ方、考え方
・血性下痢を引き起こす感染症と鑑別することが必要である。
【分類】
①病変の拡がりによる分類:直腸炎型、左側大腸炎型、全大腸炎型、特殊型
②病期の分類:寛解期、活動期
③重症度による分類:軽症、中等症、重症、激症
④臨床経過による分類:初回発作型、再燃寛解型、慢性持続型、急性激症型
診断
・下痢の原因となる細菌や感染症の検査
・内視鏡検査を行い、炎症や潰瘍の形態・範囲を調べ、あわせて生検を行う。
症状
・初発時:下血(血便)、下痢、腹痛
検査
・内視鏡検査
・生検
・便細菌培養検査、血清抗体検査
・X線検査
治療、処方例
①投薬治療
②血球成分除去療法:LCAP(白血球除去療法:セルソーバ)、GCAP(顆粒球除去療法:アダカラム)。
③手術
・内科治療が無効な場合(特に重症例)
・副作用などで内科治療が行えない場合
・大量の出血
・穿孔
・癌またはその疑い
④その他
・再発する場合も多いため、継続的な治療が必要である。
・発病して7~8年経過すると大腸癌を合併する場合があるため、内視鏡検査が必要。
禁忌
キーワード、ポイント
・肛門から連続性、全周性に大腸の粘膜にびらんや潰瘍ができる大腸の炎症性疾患。
・原因は不明であるが、遺伝子因子や免疫反応異常が関与していると考えられる。
・小児から高齢者まで発症し、好発年齢は10歳代後半~20歳代。
・潰瘍性大腸炎は指定難病であり、医療費助成の対象となる。
○「難病情報センター 潰瘍性大腸炎」
http://www.nanbyou.or.jp/entry/3739
診療のすすめ方、考え方
・血性の下痢を引き起こす感染症と鑑別することが必要である。
【分類】
①病変の拡がりによる分類:直腸炎型、左側大腸炎型、全大腸炎型、特殊型
②病期の分類:寛解期、活動期
③重症度による分類:軽症、中等症、重症、激症
④臨床経過による分類:初回発作型、再燃寛解型、慢性持続型、急性激症型
診断
・症状の経過と病歴などの問診
・下痢の原因となる細菌や感染症の検査
・内視鏡検査を行い、炎症や潰瘍の形態・範囲を調べ、あわせて生検を行う。
症状
・初発時:下血(血便)、下痢、腹痛
・重症:発熱、貧血などの全身症状を伴うもの。
・合併症:皮膚病変(結節性紅斑、壊疽性膿皮症など)、関節病変(非リウマチ性多発性関節炎)、胆道系病変(原発性硬化性胆管炎)
検査
・内視鏡検査
「パリエット 消化器基本画像集」より引用
・生検:好中球浸潤、陰窩膿瘍、杯細胞減少、腺管のねじれ・萎縮など
・便細菌培養検査
・X線検査:病変の局在の把握に有用
鑑別診断
・下痢の原因となる細菌や感染症の検査を行う。(便細菌培養検査、血清抗体検査)
治療、処方例
①投薬治療
・5-アミノサリチル酸薬(5-ASA)製薬
・副腎皮質ステロイド薬
・免疫調節薬または抑制薬
・抗TNFα受容体拮抗薬
②副腎皮質ステロイド薬で効果が得られない活動期の治療
血球成分除去療法:血液中から異常に活性化した白血球を取り除く治療法で、LCAP(白血球除去療法:セルソーバ)、GCAP(顆粒球除去療法:アダカラム)がある。
③以下の場合は、手術を検討する。
・内科治療が無効な場合(特に重症例)
・副作用などで内科治療が行えない場合
・大量の出血
・穿孔
・癌またはその疑い
④その他
・再発する場合も多いため、継続的な治療が必要である。
・発病して7~8年経過すると大腸癌を合併する場合があるため、定期的な内視鏡検査が必要である。
【処方例】
a.アミノサリチル酸制剤(ペンタサ®,アサコール®,サラゾピリン®):経口
・ペンタサ®(500mg):2~4g(4~8錠)
・アサコール®(400mg):2.4~3.6g(6~9錠)
・サラゾピリン®(500mg):4~6g(8~12錠)
b.アミノサリチル酸制剤:局所投与
・ペンタサ®注腸:1g,眠前
・サラゾピリン®坐薬:0.5g,1~2回
c.副腎皮質ステロイド薬
・プレニドン®:30~40mg(または1mg/kg体重),1回,経口
・水溶性プレドニン®:1~1.5mg/kg体重,分割または継続投与
d.免疫調節薬(抑制薬)
・アザチオプリン(イムラン®):2.0~3.0mg/kg体重
・6-メルカプトプリン(ロイケリン®):1.0~1.5mg/kg(保険適用外)
e.抗TNFα受容体拮抗薬
・インフリキシマブ(レミケード®):5mg/kg体重(1回投与量),2時間以上かけて投与
禁忌
患者指導
・潰瘍性大腸炎は指定難病であり、医療費助成の対象となる。
○「厚生労働省 難病対策」
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/nanbyou/index.html