腸重積症 総論
2014.12.18 メディビトの知恵概要
ポイント
・口側の腸管が肛側の腸管に入り込むことにより起こる。
・成人腸重積症の発生部位は小腸66~88%、大腸6~24%と報告されている。
・腹痛・腫瘤触知・嘔吐・下血などの腸閉塞症状があるさいに想起する。
【原因疾患】
①大腸癌
②小腸腫瘍
③非腫瘍性疾患:メッケル憩室、Peutz-Jeghers症候群など
診断
・成人腸重積症の診断には超音波検査、CTがきわめて有用である。
症状
・腹痛、嘔吐、下血、下痢
検査
・超音波検査・CTでtarget sign(横断面像)、pseudokidney sign(重積腫瘤縦断面像)と呼ばれる像を呈する。
・注腸造影検査:重積の先進部がカニ爪様に造影される。
治療、処方例
【治療】
・多くは器質的疾患が原因であり手術が必要である。
・保存的治療を行う場合は、その後も腫瘍などの出現がないかを慎重に経過を追う。
禁忌
キーワード、ポイント
・口側の腸管が肛側の腸管に入り込むことにより起こる。
・腸重積症は幼小児に多くみられ、成人の占める割合は6%と比較的まれである。
・成人腸重積症は小児と異なり、成人では亜急性・慢性の経過をたどる場合が多く、病悩期間が長いことも特徴である。
・成人腸重積症の発生部位は小腸66~88%、大腸6~24%と報告されている。
診療のすすめ方、考え方
・腹痛・腫瘤触知・嘔吐・下血などの腸閉塞症状があるさいに想起する。
・既往歴にPeutz-Jeghers症候群などの消化管ポリポーシスがあるとき。
【原因疾患】
①大腸癌:頻度が多いため常に原因疾患として考慮する(大腸由来の腸重積症では60~80%が癌)
②小腸腫瘍:頻度が多いため常に原因疾患として考慮する(小腸由来の腸重積症では30%が悪性疾患)
③非腫瘍性疾患:メッケル憩室、Peutz-Jeghers症候群などさまざまな疾患を念頭に置く。
診断
・成人腸重積症の診断には超音波検査、CTがきわめて有用である。
症状
・腹痛
・嘔吐
・下血
・下痢
検査
・超音波検査・CTでは、腫瘤像や重積する腸管の断面が描出される。
・重積部を横断するとtarget sign(横断面像)、縦断するとpseudokidney sign(重積腫瘤縦断面像)と呼ばれる像を呈する。
・注腸造影検査:重積の先進部がカニ爪様に造影される。
鑑別診断
治療、処方例
【治療】
・多くは器質的疾患が原因であり手術が必要であるが、無症状で偶発的に発見されCTなどで特発性と診断可能できる場合は保存的治療のみで治療可能である。
・保存的治療を行う場合は、その後も腫瘍などの出現がないかを慎重に経過を追う。
・穿孔・腹膜炎・腸管虚血などの所見があれば緊急手術を行う。