虚血性大腸炎 総論
2014.12.18 メディビトの知恵概要
ポイント
・腸に血液を送っている血管の障害により大腸粘膜が虚血となり、大腸粘膜 に浮腫、発赤、びらん、潰瘍などができる。
・S状結腸に好発する(上腸間膜動脈と下腸間膜動脈の支配領域の境界にあたる)
・典型的には左側腹部痛を伴う下痢ではじまり途中から血便になったという経過をとる。
○診療のすすめ方、考え方
・便秘などで腸管が進展されて、一時的に血流が低下しておこる虚血性腸炎
・動脈硬化が進行して血流が低下したことによる虚血性腸炎
・心房細動などによる腸間膜動脈の血栓塞栓症による急性腸間膜動脈閉塞症
などに分けて考える。
診断
・内視鏡検査では、大腸の粘膜に浮腫、びらん、粘膜下出血、縦走傾向がみられ、左側の大腸(下行結腸、S状結腸)に多く発生する。
症状
・突然の激しい腹痛ではじまり通常の下痢が途中から血便になるという経過をとる。
検査
・内視鏡検査
「パリエット 消化器基本画像集」より引用
・便培養検査:感染性腸炎を否定するため
治療、処方例
○患者指導
・生活習慣の見直し(便通を整える)
禁忌
キーワード、ポイント
・腸に血液を送っている血管の障害により大腸粘膜が虚血となり、大腸粘膜 に浮腫、発赤、びらん、潰瘍などができる。
・S状結腸に好発する(上腸間膜動脈と下腸間膜動脈の支配領域の境界にあたる)
・典型的には左側腹部痛を伴う下痢ではじまり途中から血便になったという経過をとる。
・高齢者に多くみられるが、便秘やいきみが誘因となりうることから、便秘傾向の若い女性などにもみられる。
診療のすすめ方、考え方
・動脈硬化が進行して血流が低下したことによる虚血性腸炎
⇒繰り返す、重篤、壊死することもある
・便秘などで腸管が進展されて、一時的に血流が低下しておこる虚血性腸炎
⇒すみやかに改善することが多い、1割程度の人にしか再発は見られない
【虚血性腸炎と急性腸間膜動脈閉塞症】
閉塞部位 |
末梢⇔中枢 |
患者背景 |
50歳以上、動脈硬化や高血圧など⇔ Af、心筋梗塞トル 心房細動による血栓塞栓症 |
症状 |
下痢、下血⇔急性で強い腹痛、麻痺性イレウス |
造影 |
注腸(拇指圧痕像)⇔腹部造影CT、腹部血管造影 |
治療 |
保存的⇔緊急手術 |
予後 |
良好⇔不良 |
【分類】
・一過性型
・狭窄型
・壊死型
診断
・内視鏡検査では、大腸の粘膜に浮腫、びらん、粘膜下出血、縦走傾向がみられ、左側の大腸(下行結腸、S状結腸)に多く発生する。
症状
・突然の激しい腹痛ではじまり通常の下痢が途中から血便になるという経過をとる。
検査
・内視鏡検査
「パリエット 消化器基本画像集」より引用
・便培養検査:感染性腸炎を否定するため
鑑別診断
・急性腸間膜動脈閉塞症:壊死を伴い外科的処置が必要になることも多い
・感染性腸炎など急性腸炎
・クローン病、潰瘍性大腸炎、腸結核など慢性腸炎
治療、処方例
【治療】
・一過性の場合:絶食、安静、輸液にて症状は数日程度で治まる。
・狭窄や壊死の場合:手術を行う。
禁忌
患者指導
・生活習慣の見直し(便通を整える)
・再発率は1割程度