腸結核 総論
2014.12.18 メディビトの知恵概要
・結核菌により引き起こされる腸管の炎症性疾患である。
ポイント
・活動性肺結核の患者が喀痰を飲み込んで起こることが多い。
・回盲部に多くみられる。
○「公益財団法人結核予防会 結核研究所」
診断
・大腸内視鏡検査にて多発潰瘍、委縮瘢痕、変形がみられる。特徴的な潰瘍の形態は、輪状・帯状である。
パリエット「消化器基本画像集」より引用
症状
・腹痛
・下痢
・下血
・発熱
・腹部膨満
・嘔吐
・体重減少 など
検査
・内視鏡検査:培養、抗酸菌染色
・生検:結核菌PCR法同時に提出する
乾酪性肉芽腫や抗酸菌を同定する
・血液検査
・結核感染検査:クォンティフェロン ®TB (QFT)、Tスポット®.TB(T Spot)
○鑑別診断
・クローン病:全腸管に縦走傾向のある潰瘍
・ベーチェット病:回盲部の円形の潰瘍
治療、処方例
【治療】
・抗結核に準じた化学療法を行う。
・難治であれば、切除する。
・治療に関して経験の少ない場合は専門医に依頼する。
禁忌
・ステロイドの投与
キーワード、ポイント
・結核菌により引き起こされる腸管の炎症性疾患である。
・活動性肺結核の患者が喀痰を飲み込んで起こることが多い。
○「公益財団法人結核予防会 結核研究所」
診療のすすめ方、考え方
・回盲部に多くみられる。
診断
・大腸内視鏡検査にて多発潰瘍、委縮瘢痕、変形がみられる。特徴的な潰瘍の形態は、輪状・帯状である。パリエット「消化器基本画像集」より引用
・生検にて、乾酪性肉芽腫や抗酸菌がみられる。
しかし、結核菌の検出率が高くないため、糞便からの培養やPCR法など複数の方法を組み合わせる。
・血液検査:軽度の貧血、軽度の低蛋白血症、CRP陽性、赤沈の亢進などがみられる。白血球増多がみられるのは3割以下である。
・結核感染検査
①クォンティフェロン ®TB (QFT)
全血を用いて特異抗原刺激を行った後のインターフェロンγ量をELISA法で測定する。
(結核菌が持っている特殊な蛋白質を利用して、採血した血液中のリンパ球を刺激し、
反応の有無を見る検査で、BCG接種を行っていても施行可能であり、また通常の抗酸菌に
は反応せずにM.tuberculosisに特異的に反応することが特徴的)
○「日本結核病学会予防委員会 クォンティフェロン®TBゴールドの使用指針」より引用
http://www.kekkaku.gr.jp/commit/yobou/201108.pdf
②Tスポット®.TB(T Spot)
血液からリンパ球を分離して、その数を調整した後に、特異抗原 ESAT-6とCFP-10を
それぞれ添加して刺激を行う。その結果、反応したリンパ球に対応するSPOT(点)の
数と抗原刺激を行わないコントロールのSPOTを計測し、これらの差を判定値とする。
○「結核予防会結核研究所 Tスポット®.TBについて」より引用
http://www.jata.or.jp/rit/rj/348p8.pdf
症状
・腹痛
・下痢
・下血
・発熱
・腹部膨満
・嘔吐
・体重減少 など
検査
・内視鏡検査:培養、抗酸菌染色
・生検:結核菌PCR法同時に提出する
乾酪性肉芽腫や抗酸菌を同定する
・血液検査
・結核感染検査:クォンティフェロン ®TB (QFT)、Tスポット®.TB(T Spot)
鑑別診断
・クローン病:全腸管に縦走傾向のある潰瘍
・ベーチェット病:回盲部の円形の潰瘍
治療、処方例
【治療】
・抗結核に準じた化学療法を行う。
・難治であれば、切除する。
【処方例】
・抗結核薬: イソニアジド、リファンピシン、エタンブトール、ピラジナミド
禁忌
・ステロイドの投与
患者指導
専門医に紹介
・治療に関して経験の少ない場合は専門医に依頼する。