食道静脈瘤 総論
2014.12.18 メディビトの知恵概要
・肝硬変等の原因により門脈圧が上昇し、門脈系と上大静脈系の間に側副血行路が形成され、食道粘膜下層の血管が拡張、怒脹した状態である。
ポイント
・静脈瘤破裂により大量出血を来たし、失血死や出血性ショック、肝不全により死亡する危険を常に伴っている。
診断
症状
・自覚症状はない。
・肝硬変の症状:手掌紅班、くも状血管拡張、倦怠感、黄疸など
・静脈瘤破裂:突然の大量出血(吐血、下血)
検査
・内視鏡検査
・血液検査
治療、処方例
【治療】
・治療方針の決定は、患者の病態と門脈血行動態の把握が重要。
・静脈瘤破裂による出血時
①内視鏡による出血源の確認
②S-Btubeによる圧迫止血
禁忌
キーワード、ポイント
・肝硬変等の原因により門脈圧が上昇し、門脈系と上大静脈系の間に側副血行路が形成され、食道粘膜下層の血管が拡張、怒脹した状態である。
・食道下部の血管が瘤のような隆起がみられる。
・大量出血時には、肝血流低下による肝不全の進行や高アンモニア血症が問題となる。
診療のすすめ方、考え方
・静脈瘤破裂により大量出血を来たし、失血死や出血性ショック、肝不全により死亡する危険を常に伴っている。
・肝硬変等を基礎疾患にもっているか問診や既往歴を確認する。
診断
・内視鏡検査にて、食道静脈瘤の有無を確認し、形態、色調、発赤などについて詳細な観察を行う。
症状
・自覚症状はない。
・肝硬変の症状:手掌紅班、くも状血管拡張、倦怠感、黄疸など
・静脈瘤破裂:突然の大量出血(吐血、下血)
検査
・内視鏡検査
・破裂と関係が深い所見は、発赤所見、青色静脈瘤、連珠状静脈瘤である。
・血液検査
鑑別診断
治療、処方例
・治療方針の決定は、患者の病態と門脈血行動態の把握が重要である。
・静脈瘤破裂による出血時
①全身管理下において、内視鏡による出血源の確認
EISまたはEVLによる一時止血
②S-Btubeによる圧迫止血
噴門部あるいは出血部をバルーンにより圧迫する。
○「日本門脈圧亢進症学会 食道静脈瘤に対する内視鏡治療(EIS/EVL)」
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsph/17/1/17_43/_article/references/-char/ja/
○「日本メディカルセンター 食道静脈瘤出血の治療」
http://www.nmckk.jp/pdf.php?mode=puball&category=CLGA&vol=23&no=7&d1=1&d2=1&d3=0
「パリエット 消化器領域の治療指針とパス」より引用
禁忌
・EISの禁忌は、高度の黄疸、低アルブミン血症、高度の血小板減少、全身の出血傾向、大量の腹水貯留、高度脳症、末期肝癌、腎不全、心不全などである。