SSSS(ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群) 総論
2014.11.27 メディビトの知恵キーワード、ポイント
・6歳以下、特に0〜3歳に多い。
・エンテロトキシン(ET)が血中に流入し、全身の皮膚が熱傷のように剥離する。
・水疱性膿痂疹からの移行もある。
・新生児・乳幼児に好発する。(新生児期のSSSSはRitter病)
・1年を通じて発症するが特に9月から11月頃に多い
診療のすすめ方、考え方
・速やかに診断をつけて治療を行えば死亡することはまれ。角層は速やかに再生し,治療を始めてから通常5〜7日以内に治癒するので原則入院。
診断
・臨床で診断。
・発熱+突然できた顔・首・わき・太もものつけねなどの水ぶくれ、発赤、痛みがあれば疑う
症状
・眼、口周囲の発赤・放射状亀裂
・Nikolsky現象(+):こすると表皮がベロリとむけたり水泡ができる、粘膜症状はまれ。
※水泡から菌は検出されない
・好中球↑
(マルホ株式会社「皮膚情報.com」http://www.maruho.co.jp/kanja/tobihi/popup/08.html より引用)
検査
・生検(培養の試料は,鼻,結膜,咽喉,上咽頭から採取)→抗菌薬の感受性を調べる
鑑別診断
・中毒性表皮壊死剥離症(TEN)
(メルクマニュアル医療版「ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群」http://merckmanual.jp/mmpej/sec10/ch119/ch119m.html より引用作成)
・遺伝性薬物過敏
・ウイルス性発疹
・猩紅熱
・熱傷水疱性疾患
・後天性水疱性疾患
・スティーブンス-ジョンソン症候群:粘膜が侵されるという特徴あり
治療、処方例
【治療】
・直ちに抗菌薬と補液による全身管理
・皮膚の治療は熱傷と同じ扱い
【処方例】
・セファメジンα®(セファゾリン)1日20〜50㎎/kg 分2〜3
禁忌
・コルチコステロイドは禁忌
患者指導
・脱水症状となることがあるので、水分の補給に努める
専門医に紹介
学会、研究会
ガイドライン
患者会
ホームページ
・メルクマニュアル医療版「ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群」http://merckmanual.jp/mmpej/sec10/ch119/ch119m.html
・マルホ株式会社「皮膚情報.com」http://www.maruho.co.jp/kanja/tobihi/popup/08.html