2型糖尿病 総論
2015.11.27 メディビトの知恵- 血糖とHbA1cを組み合わせた表があればお願いします。
キーワード、ポイント
・加齢、肥満、運動不足などが原因。
・インスリン分泌能低下、インスリン感受性低下の2つ要因により血糖値が高くなる。
・家族歴がしばしば見られる。
・発症年齢は通常40歳以上。
・肥満は認めることが多い。
・自己抗体は陰性。
診療のすすめ方、考え方
・高血糖やHBA1cの上昇を認めた場合、「糖尿病型」の診断。別の日に再検査をして「糖尿病型」が再度確認された場合に糖尿病の診断。
・病歴などを総合的に判断し、1型糖尿病やほかの成因を除外し、2型糖尿病の診断となる。
・全糖尿病患者の90~95%を2型糖尿病が占める。
診断
症状
・病初期には自覚症状がほとんどない。
・進行につれ全身の大血管、小血管、神経が障害され合併症を引き起こす。
・随時血糖値200mg/dl以上。
・早朝空腹時血糖値126mg/dl以上。
検査
・随時血糖検査
食後の時間を決めず採血により血糖値を測る。
・早朝空腹時血糖検査
検査当日の朝食を抜いた空腹状態で、採血により血糖値を測る。
鑑別診断
治療、処方例
・血糖値が軽度上昇したⅡ型糖尿病患者
食事療法および運動療法を処方。
生活様式の変更で不十分であれば続いて単一の経口血糖降下薬を処方。
必要に応じて経口薬を追加し(併用療法)、2剤以上を使用。
推奨目標の達成に有効でないときにはインスリンを処方。
・診断時により顕著な血糖上昇がみられるⅡ型糖尿病患者
典型的には生活様式の変更および経口血糖降下薬を同時に処方。
・妊娠中のⅡ型糖尿病患者、および非ケトン性高浸透圧症候群(NKHS)、糖尿病性ケトアシドーシス(DKA)などの急性代謝代償不全を呈する患者
インスリンが初期療法として適用。
・血糖調節障害患者
糖尿病発症のリスク、および糖尿病予防を目的とした生活様式の変更に焦点を当てたカウンセリングを受ける。
糖尿病症状または血糖上昇がないかを慎重に監視すべき。
年1回または2回の検査が恐らくは適切。
・運動療法、食事療法にて数カ月間経過をみて、改善傾向がない場合には薬物療法が適応。
・最も有効性のエビデンスのある第一選択薬剤は、ビグアナイド薬。
・ビグアナイド薬にて血糖値が十分にコントロールできない、またはビグアナイドを用いることができない場合、第2選択薬として、DPP-4阻害薬、スルホニル尿素(SU)薬、αグルコシダーゼ阻害薬(αGI)を開始または追加。
・腎機能低下、高齢など低血糖を起こしやすい場合
SU薬の代替としてのグリニド系薬(速効型インスリン分泌促進薬)の慎重投与を考慮。
SU薬は低血糖のリスクは高いものの細小血管症、心筋梗塞、総死亡のリスクを低下させる。
αGIは食後血糖を下げる効果がある。
・第2選択薬と第1選択薬の併用にて効果が不十分の場合
第2選択薬2剤と第1選択薬の合計3剤の併用を行う。
・厳格な血糖管理をしても総死亡・心血管死リスクは必ずしも減少しないことに注意。
・再診の頻度
薬物開始・変更・追加時は2~4 週後、安定期は2~3カ月ごとが目安。
・熱量を制限し、規則正しく食事をし、食物繊維の摂取を増やし、精製炭水化物および飽和脂肪の摂取を減らすべき。
・就寝前は、100〜140mg/dL(5.6〜7.8mmol/L)に血糖値を維持する(家庭での測定によって決定し、HbA1c値を7%未満に維持する。これらの目標は、高齢者、余命の短い患者、低血糖発作、特に無自覚低血糖を繰り返す患者、低血糖症状の存在を伝えられない患者(幼児)などは緩和が許容される。
禁忌
75gOGTT(75g経口ブドウ糖負荷試験)
自覚症状など明らかな高血糖が考えられる場合、さらに高血糖を引き起こすリスクがある。
患者指導
・生活習慣改善、治療指導
・食事療法
・運動療法