糖尿病の患者指導
2015.12.01 メディビトの知恵キーワード、ポイント
診療のすすめ方、考え方
診断
症状
検査
鑑別診断
治療、処方例
禁忌
患者指導
・患者および患者の食事を用意する者のいずれもが指導に参加することが大切。
・栄養指導は医師の診察を補完させる。
<生活習慣改善、治療指導>
・禁煙
・肥満改善
・フットケア
・口腔内ケア・歯周病管理
・自己管理教育
・インフルエンザワクチン予防接種、肺炎球菌ワクチン予防接種などを行う。
糖尿病患者でのインフルエンザワクチンの接種は、インフルエンザおよびその併発症による死亡リスクを減少させる。
・エネルギー摂取量=標準体重(身長[m]×身長[m]×22)×身体活動量
にコントロールする。
【身体活動量】
軽労作(デスクワーク主体、主婦):25~30kcal(kcal/日)
普通の労作(立ち仕事が多い職業):30~35kcal(kcal/日)
重い労作(力仕事の多い職業):35kcal(kcal/日)
【栄養バランス】
炭水化物 摂取エネルギー量の50~60%
たんぱく質 標準体重1kgあたり1.0~1.2g
飽和脂肪酸、多価不飽和脂肪酸 それぞれ摂取エネルギー量の7%、10%以内
高血圧合併例では塩分制限を指導。
中等度以上の腎症に対しては塩分制限(8g以下)、K制限(2g以下)、蛋白制限食(体重1kgあたりの蛋白摂取量0.8~1.0g)を指導。
管理栄養士による指導が有用。
食物中の蛋白および脂肪は熱量摂取(体重の増減)に関与するが、唯一炭水化物が血糖値に直接的な影響を及ぼす。
間食は原則としてしない
三食バランスよく食事する
総カロリー量を適切にコントロールする。
食後血糖値が高い患者は炭水化物の量を減らす。
アルコールのカロリーにも注意。
炭水化物を減らした食事は血糖コントロールを改善するが、長期の安全性については不明。
<運動療法>
・歩行運動 1回15~30分間、1日2回(1日の歩行数約8,000~9,000歩)、週3日以上が望ましい。
・日常生活で身体活動量を増やすだけでも、長期間継続すれば効果がある
・レジスタンス運動も血糖コントロールに有効
ただし、空腹時血糖値250mg/dl以上、尿ケトン体陽性、眼底出血、腎不全、心疾患、骨・関節疾患、壊疽、急性感染症、高度の自律神経障害などを認める場合は運動を制限・中止。
中等度以上の腎症(血清クレアチニン約1.5mg/dl以上)では、重労働を避ける指導。
インスリン治療をしている患者は適宜血糖自己測定を行う。
運動の時間や種類、量により、運動前や運動中に補食や運動前後のインスリン量を減量するなどの調整を行う。