キーワード、ポイント

・心不全とは病名ではなく、心臓の働きが不十分な結果、起きた状態をさす症状症候名。

・心不全に至った原因の検索とそれぞれの治療が大切。

【分類】

・それぞれの切り口から考えることが大切

急性心不全－慢性心不全

左心不全－右心不全

収縮不全（HFrEF）－拡張不全（HFpEF）

診療のすすめ方、考え方

診断

・心不全の症状

・診断基準

症状

検査

Ⅰ心不全の状態を調べる検査

・血液検査

・動脈血液ガス分析

・心筋トロポニンＴ

・BNP（脳性ナトリウム利尿ペプチド）：心不全の重症度判定に有用

　BNP　カットオフ値100pg/mlで心不全の感度90％、特異度70％

・心電図：狭心症や心筋梗塞などの虚血性変化の有無、不整脈の有無、左室拡大の有無など

・胸部X線検査：心臓の拡大、肺水腫

心臓が拡大し、肺に染み出した水分が淡い陰影となる。（バタフライシャドウ）

「http://www.ncvc.go.jp/hospital/section/cvm/heart/」より引用

（butterfly shadowは急性期の心不全に多くみられるが、尿毒症肺などでもみられる）

小葉間隔壁肥厚：Kerley’s line

胸膜肥厚：膜下水腫

気管支周囲間質肥厚：peribronchial cuffing

葉間胸水：anishing tumor

奇静脈：azygos vein（心不全では静脈圧が上昇するため、右上葉枝分枝直上にある奇静脈正接像が大きく見える）

・心エコー：左室収縮能、拡張能、弁膜症、左房径、下大静脈径

Ⅱ心不全の原因を調べる検査

「http://www.j-circ.or.jp/guideline/pdf/JCS2011_izumi_h.pdf」より引用

心エコー：弁膜症、心筋症など

心臓カテーテル検査：冠動脈造影など、初発の心不全では必ず検討する

Ⅲ心不全の状態を評価する

鑑別診断

治療、処方例

【予後】

悪性新生物と同程度に予後不良

死亡率　７％／年

一年以内の再入院率　３０％／年

禁忌

患者指導

専門医に紹介

・原因疾患に対し、疾患特有の根本的治療を直ちに必要とする場合には専門医へ紹介する。