伝染性膿痂疹 総論
2014.12.20 メディビトの知恵キーワード、ポイント
・黄色ブドウ球菌の産生する表皮剥脱毒素(ET)が原因。
・水疱、びらん、痂皮、膿疱が混在する。
・水疱は容易に破れ、遠隔部に新たな水疱を形成し、接触感染により他人に伝播する。
・乳幼児に好発し、夏季に保育園などで集団発生しやすい。
診療のすすめ方、考え方
・早期に治療すれば迅速に回復する。治療が遅れれば,蜂窩織炎,リンパ管炎,せつ腫症,色素増加および色素減少を生じることがあるし、瘢痕を残すことも残さないこともある。
診断
・皮膚所見により診断
・膿痂疹を繰り返す場合は鼻腔培養を行う
症状
・小水疱→黄色の漿液を内包する弛緩性水疱→水泡の破綻→茶色の薄い痂皮の形成
(メルクマニュアル医療版「膿痂疹および膿瘡」http://merckmanual.jp/mmpej/sec10/ch119/ch119i.html より引用)
検査
鑑別診断
治療、処方例
【治療】
・外用抗菌薬を用いるが、外用が難しい例や全身に病変が広がっている場合には内服薬も考える。
・内服薬は3~4日後に外来で皮疹の状況をみて経過良好なら7日程度投与
・慢性的なブドウ球菌の鼻腔内保菌者であった場合、3カ月毎に1週間、抗生物質(ムピロシン)の局所投与を行う
・MRSAを疑う場合、外用薬としてムピロシン(バクトロバン)、内服薬としてST合剤(バクタ)を考える
・レンサ球菌が原因の場合は、皮膚の症状が治った後に腎炎やリウマチ熱などになる可能性があるため、治療後も10日間くらいは、抗菌薬を飲み続ける必要あり
【処方例】
・外用薬 フシジンレオ軟膏®(フジシン)[20mg] 患部に1日3回塗布 か
アクロマイシン軟膏®(テトラサイクリン)[30mg] 患部に1日数回塗布
・内服薬 ケフレックスカプセル®(セファレキシン)[250mg] 4カプセル 分4(6時間おき)
小児ならラリキシンドライシロップ小児用®(セファレキシン)[10%] 50mg/kg 分4
禁忌
・アクロマイシン軟膏®:テトラサイクリン系薬過敏症
患者指導
・治療開始後24時間は感染性が強いので、登校や出勤を避ける
・かゆくても水ぶくれを破かないように注意
・兄弟や他の子供に接触しないようにする
専門医に紹介
・抗菌薬を用いても改善しない場合は、皮膚科へ
学会、研究会
ガイドライン
患者会
ホームページ
メルクマニュアル医療版「膿痂疹および膿瘡」http://merckmanual.jp/mmpej/sec10/ch119/ch119i.html
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参考図書
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