葉酸について
大球性の葉酸欠乏性貧血患者さんに葉酸を投与したところ貧血は改善しました。
鉄剤のようにある程度体内にストックさせるように少し長期に内服させた方が良いのでしょうか?
やめる目安のマーカーや数値はありますでしょうか?
2 つの回答
葉酸欠乏の治療は「1~5mg/日を経口で、1から4ヶ月間投与、または血算が正常化するまで」UpToDate, Diagnosis and treatment of vitamin B12 ando folate deficiency, TREATMENT, Folate deficiency とあります。 経口剤のフォリアミン5mg錠を1日1回、4ヶ月投与、ということになると思います。血算で貧血が改善し、MCVが正常化すれば早めに中断することも可能です。「軽度ではあるが慢性的な葉酸欠乏がある場合には、葉酸を短期間だけ投与して欠乏を修正したあと、食事の改善を奨励することが望ましい。」 なぜ4ヶ月か、ということについては「慣例的に治療は、葉酸が欠乏している赤血球が除去され、葉酸に富む新たな赤血球に置き換わるまでの約4ヶ月間続けられる。」 つまり、赤血球寿命120日(=4ヶ月)ということになっているようです。 当然ですが、葉酸欠乏になった原因(多くはアルコール依存症だと思いますが)を改善していることが前提です。「例えば、慢性透析患者や溶血性貧血などのように葉酸欠乏の根本的な原因を解消することが出来ず、欠乏症を繰り返しやすい場合には、長期間の葉酸投与が必要です。」 また葉酸欠乏の治療で一番大事なことは「葉酸の大量投与を行う前にVitB12欠乏を除外診断し、もし存在すれば治療しておかないといけない」ことですね。「そうしないとVitB12欠乏による貧血は葉酸治療に反応したとしてもVitB12神経障害が進行しうる」から、です。「長期間の葉酸治療を受けているすべての患者について、治療中にVitB12欠乏が併発するのを避けるため、定期的に(例えば1年に1回)血清VitB12値を測定する必要があります。」 *「」内記述はハリソン内科学より。 |
葉酸欠乏はB12欠乏と違って一定の対応はないように思っております。 ただ葉酸は飲み始めると濃度がすぐ上がってくるので、貧血がなくて、葉酸値が高値であったりすれば投与を終了してしまうことも多いです。 もしその方が貧血が持続しておれば,貧血が改善するまでは内服を継続したほうがよいように思います。 ビタミンB12と一緒に処方されている場合は、ビタミンB12の補充は貧血が改善されていても終生継続しますが、葉酸は食事がとれていれば補充は必要ないように思っております。 フォローの仕方として葉酸の値を必ずチェックしなければいけないというガイドラインはないようです。 回答になりましたでしょうか。。。? またどうぞよろしくお願い申し上げます! |