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医良人コラム

(信濃毎日新聞中信版MGプレスの記事を再掲しています。) 「健康寿命を伸ばしましょう」という言葉を耳にすると思います。 では、どんな病気によって健康寿命が損なわれているかをご存知でしょうか? 孫子の名言「敵を知り己を知れば百戦危うからず」の通り、戦う前にどの病気(敵)の重要度が高いのかを確認しておくことは、健康づくりの基本といえます。 病気の数は1000を優に超えます。よく見定めないと雑兵との戦いに気を取られているうちに、敵の大将に討ち取られてしまうことになりかねません。   表は2016年度の日本人の「… もっと読む

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人は何で生きているでしょうか? 哲学の命題でも謎掛けでもありません。 人は『血管』によって生きています。 大切な血管についての知識を整理します。 血管は三種類に分けられます。心臓から送り出された血液が通る『動脈』。 動脈は枝分かれを繰返して細くなり、細胞の間を網目のように張り巡らされる『毛細血管』となり、 血液と細胞との間で酸素と二酸化炭素、栄養と老廃物を交換します。 次第に集まって太くなり『静脈』となり心臓に戻ります。 病気との関連を考えると、細胞に酸素や栄養を届ける動脈と毛細血管が重要です。 なぜなら血液が届か… もっと読む

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命、若さ、信用などと同じく、私たちの体にも一度失ってしまうと取り戻せないものがあります。その代表が「神経細胞」と「心筋細胞」です。 この2つは、新しい細胞に生まれ変わるための細胞分裂ができず、同じ細胞が生涯にわたって働き続けるといわれています。 すなわち皮膚や血液などと異なり、神経や心臓は、死んだ細胞を他の細胞が分裂して再生することはできないのです。 リハビリによって死んだ細胞の周りの細胞が働きを補い、「機能」としてはある程度回復しますが、死んでしまった細胞自体が元に戻るわけではありません。 細胞の数は生まれた時点… もっと読む

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1月は信州にもインフルエンザの猛威が吹き荒れました。喉元を過ぎていない今こそ感染や予防のおさらいをしましょう。 感染はステップに分けると理解しやすくなります。 ①寒くなり乾燥するとウイルスが活発になる ②感染した1つのウイルスは半日で100万個まで増殖する ③感染して2~3日後に発熱や咳(せき)などの症状が現れ、約1週間ウイルスを排出する④咳やくしゃみにより他の人にうつる。この繰り返しによって爆発的に広がります。 対策は、ウイルスの活動を抑えるため室内の保温と湿度を50%以上を保つこと。人混みに近寄らない、手洗い、… もっと読む

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麻疹(はしか)が流行しています。 高熱が続く症状は激烈で、江戸時代には「命定め」と怖れられ、無事に七五三の年を迎えるとお祝いをしました。 医学が発達した現代でも治療薬はなく、千人に一人の割合で脳炎や肺炎によって命を奪われます。 空気感染をするためインフルエンザの10倍以上の感染力があり、世界中で対策が取られていますが、 いまだに小児を中心に年間10万人以上が亡くなっています。 一方、麻疹の予防接種は非常に効果が高く、2回の予防接種で99%の人が免疫力(抗体)を獲得できます。 事実、麻疹ワクチンの開発前は、世界の… もっと読む

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昨年から風疹が流行しています。 「三日ばしか」とも呼ばれるように発疹が出ますが、麻疹ほど症状は強くありません。 しかし、妊娠中の女性が風疹ウイルスに感染すると、おなかの赤ちゃんの心臓や耳、口、脳などに障害を残してしまいます。 これから生まれてくる赤ちゃんの一生が変わってしまうのです。 2013年の流行時には、国内で45人(12~14年)の「先天性風疹症候群」の赤ちゃんが生まれ、 内10人は生後半年までに亡くなりました。 妊婦さんへ感染させないためには周囲での流行を防ぐこと。そのためには個人個人がしっかりと予… もっと読む

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統一地方選挙が終わりました。 私事ですが長野県議会議員選挙の立会人を拝命し、地域の皆さまの投票に同席させていただきました。 見守りながら、政治や選挙と健康づくりの共通点を考えてみました。 ①政治も健康も優先順位は高いはずだが、国民の関心は低い。 興味を持つことが始まり。 ②現実から目をそらしてはならない。 一方で今を優先しすぎず、未来をつくる力も求められる。 ③課題への取り組みは優先順位を見誤らず、かつ一点集中や偏った施策ではいけない。 ④バランスよく全体のメリットを考え、特定の利益だけを追求しない。 ⑤甘… もっと読む

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「炎症」はさまざまな病気の元凶となります。 「急性」と「慢性」に分けられ、急性炎症はやけどや盲腸炎、痛風による急性関節炎などです。 赤くなって腫れて熱を持ち、痛みを伴います。 皆さんも炎症と聞くと、この急性炎症を思い浮かべるでしょう。 程度が強いと障害を残したり、時には命に関わったりすることもありますが、大半の急性炎症は原因が取り除かれると沈静化します。 一方の慢性炎症は、ほとんど自覚症状がありません。 例えば慢性胃炎では、急性胃炎や胃潰瘍のような強い痛みは感じません。 炎症の程度は軽いけれど、長くくすぶり続けてい… もっと読む

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前回、慢性的に炎症が続くと発がんにつながる理屈を説明しました。 今回はそれを踏まえて「がんを防ぐ方法」を解説します。 日本人の罹患数の多いがんは1位大腸がん、2位胃がん、3位肺がんです(2014年)。 なぜこの3箇所にがんが多いのか分かりますか? 答えは、「外とつながっている」からです。 食べた物は、口から食道、胃、小腸、大腸を通って便となり体を通り抜けていきます。 肺は、鼻や口、気管支を経て呼吸をしています。 胃腸や肺は外界とつながっているため、侵入してくるさまざまな物質や病原菌と接触する機会が多くなります。 繰… もっと読む

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慢性感染は、発がんの約20%を占める大きな要因です。 今回は、がんを起こすピロリ菌とB型・C型肝炎ウイルスについて学びましょう。 ピロリ菌に感染していると5~10倍胃がんにかかりやすく、 肝臓がんの8割はB型・C型肝炎ウイルスが原因です。 国内では年間に胃がんで4万5000人、肝臓がんで2万7000人が亡くなっています。 それだけに病原菌の発見は医学的、社会的に大きな衝撃があり、 ピロリ菌とB型肝炎ウイルスの発見者はノーベル賞を受賞しました。 【予防】 体内に入れないために感染経路を確認します。 ピロリ菌は口から感… もっと読む