下肢静脈瘤

どんな病気

下肢とは足のことで、下肢静脈瘤(かしじょうみゃくりゅう)は足の静脈血管がコブ(瘤)のようにふくらんだ状態です。長期間放置した場合には、足のだるさや、むくみなどの症状が慢性的におこり、日常生活に支障をきたすこともあります。
女性に多く、加齢に伴い増加します。立ち仕事の人や、妊娠をきっかけに症状が出ることもあります。静脈瘤のできやすい家系、体質の方もいます。

「画像提供:日本メドトロニック」

原因

静脈は血液が足から心臓に戻る血管です。静脈弁は血液が足の先端の方に逆流してしまうのを防いでいます。この弁が正しく閉じなくなり、血液が逆流、うっ滞して血管が膨らむことにより起こります。

「画像提供:日本メドトロニック」

症状

・ふくらはぎやすね、太ももの裏などに、血管がボコボコと太く腫れる
・血管が浮き出て見える(青筋だって見える、赤紫色のくもの巣のように見える)

「画像提供:お茶の水血管外科クリニック」


・足がだるい、重い
・むくむ
・かゆみ
・足がつる
・重篤になると、痛み、出血、うっ滞性皮膚炎、潰瘍など

「画像提供:日本メドトロニック」

検査

超音波ドブラ検査
 超音波を使用して、静脈の血液逆流の有無と程度を検査します。

静脈造影検査

 足の静脈内に造影剤を注射して、レントゲン撮影を行い血管の撮影をします。
 患者さんにも一目で血管の状態が分かる検査方法です。

治療

保存療法
 医療用の弾性ストッキング(弾性包帯)で、下肢に適度な圧力を与えることで下肢に余分な血液がたまることを予防します。予防や軽症の静脈瘤の治療には20~30mmHg程度の着圧のものを選びます。

硬化療法
 静脈瘤に薬を注射して固めてしまう方法です。

手術
 血管をしばる「結紮術(けっさつじゅつ)」、血管を抜去する「ストリッピング手術」や血管内から静脈瘤をレーザーなどで焼きつぶす「焼灼術(しょうしゃくじゅつ)」などがあります。

ホームドクターからのアドバイス

・静脈瘤の進行を防ぐ基本的な処置は「弾性ストッキング」をはくことです。
・体を動かすことで血流がよくなり、足の筋力を高めて下肢静脈瘤を予防します。
・長時間の立ち仕事や座り作業には、軽い運動や足を上げるなどこまめに休息をしましょう。

 

『下肢静脈瘤』と『下肢深部静脈血栓症』との違い

診療をしていますと、下肢静脈瘤を指差しながら「大丈夫でしょうか?」と聞かれることがあります。
なにを心配されているかとよくたずねてみますと、静脈瘤に『血栓』ができて、それが流れて肺に詰まる『肺梗塞や肺動脈血栓塞栓症』を心配されていらっしゃる方が時々いらっしゃいます。

肺梗塞』はエコノミークラス症候群の名前や、震災時に発生して有名になりました。
狭い飛行機の座席や避難所で、長い時間同じ姿勢をしていると下肢の静脈の中で血が固まって『血栓』ができてしまうことがあります。その後、体を動かしたさいに血栓が流れて肺の血管に詰まると呼吸が苦しくなったり、ショックになり命に関わることがある怖い病気です。

みなさん下肢静脈瘤がこの病気と関連があるのではないかと心配をされていらっしゃるのですが、結論から申し上げますと『下肢静脈瘤』と『肺梗塞』は直接の関係はございません。

なぜならば、『下肢静脈瘤』は皮膚に近い『表在静脈の問題です。表在静脈は細いため、血栓ができても大きな問題にはなりません。

『肺梗塞』は、『深部静脈という太い血管にできる大きな血栓が原因です。
正式には『下肢深部静脈血栓症』と呼び、『下肢静脈瘤』とは異なる病気です。

言葉は似ていますが下肢静脈瘤の方はとても多く、命にかかわるような危険性はありませんのでご安心ください。

もっと調べる

参考リンク

メドトロニック 下肢静脈瘤について
○ ゼリア新薬工業株式会社 足健康 下肢静脈瘤情報サイト

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