医良人コラム
20/7/3

第29回 根本的な原因を正そう

 

台風19号の被害に遭われた全国の皆さまに心よりお見舞い申し上げます。

自然災害の恐ろしい映像を見ながら、私には災害と病気が重なりました。
川は普段は、飲み水を与えてくれ、田畑などを潤します。
しかしひとたび氾濫すると、人命や建物、農作物などに甚大な被害をもたらします。

決壊した川を人間の血管とします。
血管は酸素や栄養を送って体を養っていますが、破れたり詰まったりすると、
脳卒中や心筋梗塞など命にかかわる病気になります。

川が氾濫した原因を調べる際、決壊した川の堤防の確認だけでは不十分ではないでしょうか。
上流から集まる水が影響するため、そちらにも原因がないか目を向ける必要があると思います。


病気も同じく、上流にあたる原因に目を向けることが大切です。

脳卒中、心筋梗塞を引き起こす動脈硬化は、高血圧、糖尿病、高脂血症などの生活習慣病が一因であり、
さらにその原因は不摂生な食事、運動不足、喫煙、肥満です。

上流の整備が下流の水害防止につながるように、一つ一つの生活習慣を見直して
「本を正す」ことが大きな病気の予防となります。


さらにその背後にもっと大きな原因が隠れています。
なぜ異常な大雨が降るのでしょう?

信濃毎日新聞7日付4面に、国連が「気候関連の災害は過去40年で倍以上に増えた」とし、
豪雨や洪水などが増えているのは「温暖化が影響した可能性が極めて高い」と指摘した記事が掲載されました。

温暖化は、温室効果ガスが主な原因とされ、人間の生産活動はそれを生み出しています。

これらは社会全体で対策を考える問題です。

健康づくりも同様です。なぜ不摂生な生活習慣が身に付くのかを家庭環境や教育制度、経済問題など、
地域や社会全体で取り組むべき課題にまで目を向けて考える必要があります。

(2019年11月19日(火)付MGプレスから)

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